学校の活動

2022年10月の記事一覧

幼稚部 9月の遊び

9月から発展している遊びの様子です。

遊戯室で、3年生の子どもが段ボールと和紙でスクリーンを作り、懐中電灯にカラーセロファンを付けてスクリーンに照らし、部屋を真っ暗にして、見事な映画が出来上がりました。すると、他の子どもたちも集まり、家族で行ったことがある映画館のイメージを共有し合う姿がみられました。映画館といえば、ポップコーンとジュース!

廃材容器や花紙などの材料を使ってポップコーンやジュースを作り、お店ごっこも起きました。段ボール箱とペットボトルでゲートを作った映画館の受付では「いらっしゃい、映画館ですよ」「お金を払ってください」「どうぞ、お通りください」。お客さん役の子どもたちは、ポップコーンやジュースをお店で買い、椅子に座って映画が始まるのを待ちます。スクリーンの後ろで懐中電灯を持って待機している上映役の子どもは、お客さんが集まったら上映を開始します。いろいろな色のライトを照らして動かしたり、自分の手を映して影絵のように神秘的に映します。お客さん役の子どもたちは、「おー!」と拍手喝采!「次は私がライトやりたい!」「お店やりたい」子ども同士で交渉し、役割を交代し合いながら、「映画館ごっこ」の遊びをどんどん深めていきます。

このような集団で遊ぶ「ごっこ遊び」には、たくさんの学びが詰め込まれています。一緒にイメージを共有して遊ぶ友だちとの関わりの中で、自分だけの立場ではなく、相手の立場や気持ちを考えることが自然と起こります。また、ごっこ遊びに必要な役割を演じることで、それぞれの立場で物事を考えたり、人や物の気持ちになってみたりということも起きます。客観的な見方をしようとすることで、子どもの心が豊かに育まれていきます。また、ごっこ遊びに必要な物を作ることもあります。どんな物を作るか、頭の中でイメージし、そして材料などを使って創造する力が養われます。そして、いろいろな役割になりきることで、まさに俳優並みの表現力も磨かれます。そして、ごっこ遊びの中で、子どもたち同士で生きたやりとりが繰り広げられます。そこには、決まったセリフの台本はありません。相手の言動に合わせて、自分も次の言動を考えて行動し、相手はさらに自分の言動に添って行動するということが繰り返し行われます。ごっこ遊びのストーリーがうまく展開するように相手に合わせる協調性や、自分の意図を伝えるコミュニケーション能力が必要不可欠です。教員が設定した「劇遊び」などでは、このような力を育むことは不可能です。自由遊びの中で、子どもたちの中で主体的に起きる「ごっこ遊び」だからこそ、協調性やコミュニケーション能力が培われます。そして、子どもたちが実際に生活している現実の社会と同じようなルールが、ごっこ遊びの中で再現されています。まさに、模擬的な社会活動ともいえます。その中で、ルールを守ることや社会性も身に付けていきます。大人の目線で考えると、たかが「ごっこ遊び」と思ってしまいがちですが、子どもの成長過程において、たくさんの大切な学びが詰め込まれています。

今はさらにいろいろなお店が展開しています。「チュロス屋」「アイス屋」「おすし屋」「水族館」「釣り堀」「マクドナルド」「ミスタードーナツ」などなど、ごっこ遊びが広がっています。同じクラスの子どもだけではなく、他のクラスの子どもも誘い合い、年上の子どもから年下の子どもへ「楽しい遊び」を伝達していきます。そして、年下の子どもも来年や再来年にはさらに「楽しい遊び」を作っていくことでしょう。学年を越えた保育の環境があるからこそ、子どもたちの「遊び」を創造する力を生みだしています。